2007年07月23日
老いらくの恋
私の家から 北へ50メートル
こじんまりした みさ婆の家がある
そして 西へ200メートル行った所が
築後 比較的新しい あきら爺の家である
みさ婆は83歳
子供たちは 皆 都会で所帯を持ち
ご主人が21年前に亡くなってからは
この家で 一人暮らしをしている
あきら爺は88歳
子 孫 ひ孫と 四世代 9人の大家族である
ある時 どこからか この二人は 「老いらくの恋」 だと言う噂が立った
私は信じられなかったが それほど不快ではなかった
「 おじいちゃんとおばあちゃんの恋
」
なんて 可愛らしい感じがして・・・
しかし あきら爺には 奥さんがいることが 少し気にはなった
私が感じているような ほんわかしたものではなく
世間でよくある 三角関係のどろどろしたものだったのかもしれない
世間の噂など耳に入らないふうで
みさ婆は
愛犬を連れて 老人車を小股で押しな
がら よく 散歩していた
牛乳瓶の底をひっくり返したような厚いメガネが
小太りのみさ婆によく似合っていて愛嬌らしさを増していた
あきら爺はというと
農作業で日焼けしたゴボウのような足で
まるで ゆったり流れる人生を楽しむかのように
ゆっくり・・ ゆっくり・・・ と
自転車
をこいで 私の家の前を通るのが日課だった
そして みさ婆の家の裏手に よく あきら爺の自転車
を見かけた 
「 老いらくの恋 」 ?
今日 みさ婆が 亡くなった
糖尿病からくる合併症だった
みさ婆のところに お別れに行った
いろいろと噂していた人たちも 別の顔で涙を流していた
みさ婆は 牛乳びん底のメガネを外し
化粧をした顔は しわも無く 驚くほどきれいだった
まるで 眠っているようだった
( 眠れる森の みさ婆・・)
顔を見ていて 私は思った ・・・
みさ婆と あきら爺は 男と女の 「老いらくの恋」 ではなく
人と人の 「老いらくの恋」 だったんだと ・・・
みさ婆のご冥福を 心からお祈りいたします
あきら爺も 両手を合わせて 静かに祈っていることでしょう
こじんまりした みさ婆の家がある
そして 西へ200メートル行った所が
築後 比較的新しい あきら爺の家である
みさ婆は83歳
子供たちは 皆 都会で所帯を持ち
ご主人が21年前に亡くなってからは
この家で 一人暮らしをしている
あきら爺は88歳
子 孫 ひ孫と 四世代 9人の大家族である
ある時 どこからか この二人は 「老いらくの恋」 だと言う噂が立った
私は信じられなかったが それほど不快ではなかった
「 おじいちゃんとおばあちゃんの恋

なんて 可愛らしい感じがして・・・
しかし あきら爺には 奥さんがいることが 少し気にはなった
私が感じているような ほんわかしたものではなく
世間でよくある 三角関係のどろどろしたものだったのかもしれない
世間の噂など耳に入らないふうで
みさ婆は

がら よく 散歩していた
牛乳瓶の底をひっくり返したような厚いメガネが
小太りのみさ婆によく似合っていて愛嬌らしさを増していた
あきら爺はというと
農作業で日焼けしたゴボウのような足で
まるで ゆったり流れる人生を楽しむかのように
ゆっくり・・ ゆっくり・・・ と
自転車

そして みさ婆の家の裏手に よく あきら爺の自転車


「 老いらくの恋 」 ?

今日 みさ婆が 亡くなった
糖尿病からくる合併症だった
みさ婆のところに お別れに行った
いろいろと噂していた人たちも 別の顔で涙を流していた
みさ婆は 牛乳びん底のメガネを外し
化粧をした顔は しわも無く 驚くほどきれいだった
まるで 眠っているようだった
( 眠れる森の みさ婆・・)
顔を見ていて 私は思った ・・・
みさ婆と あきら爺は 男と女の 「老いらくの恋」 ではなく
人と人の 「老いらくの恋」 だったんだと ・・・
みさ婆のご冥福を 心からお祈りいたします

あきら爺も 両手を合わせて 静かに祈っていることでしょう

Posted by あば at 00:37│Comments(0)
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