2007年12月15日

5年の男

「 あばさん! 俺 5年ごとの人生計画を立てとるだで・・ 」 

真っ直ぐに 積極的に話しかけてくる - Mさん



彼は 30歳で結婚した


地方では名の知れた設計事務所に勤務し

これから事務所を背負っていくであろう大方の予想を裏切って

県内 中部地方では5本の指に入る建設会社に転職したのが35歳の時


デスクワークから一転して

泥・ホコリにまみれる現場で 汗水垂らして働くことを選んだMさんに

私は驚きと なぜ?という疑問を持ち続けた


しかし 私の不安は また みごとに裏切られた


持ち前のバイタリティーで 前向きに 且つ 積極的に仕事に取り組み

更には 相手の気持ちを考えて行動し

とことん話し合い 解決することから

下請業者さんも含めた周りの人達からも

勿論 社内からも人望を集めていった



( 条件が悪く 非常に困難な現場でも Mさんに任せれば 何とかしてくれる・・)

誰もが そう思うようになっていた



責任のある立場になった彼は 40歳で自宅を大改造した



新築したほうがいいんじゃない? と思えるくらいの費用を掛けて・・



山里の豊かな自然に包まれて居を構えるMさんは

妻と3人の男の子 年老いた母との暮らしのなかで

家族の思い出である古い民家に愛着を感じていたのだろう



年月を感じさせる黒く色づいた小屋梁

どっかと居座ったような風格を感じさせる大黒柱・・

これら古材が持つ木の温もりを残したかったに違いない



『 5年の男 』

なるほどぉ~~

公約通り 5年毎に確実に節目を作っていってるなぁ・・

よく仲間同士で噂し合った



そして 45歳の時 Mさんは旅立った

私たちの手の届かない遥かな処へ・・

突然に・・

何にでも前向きに進んできた彼も 病を説き伏せることはできなかった


5年毎の人生設計なんて 口では言えても

実行となると なかなか出来るものではない


私のように 無計画で気持ち優先に生きている人間から見れば

すごい男だ!



『 5年の男 』 らしいなと

偶然だけでは済ませられないものを私は感じた



もうじき あの日 12月30日・・

Mさんが いなくなってから 来年で10年目を迎える 






5年の男


あの山の麓にMさんの家がある・・



5年の男


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Posted by あば at 01:21│Comments(4)心の風景
この記事へのコメント
・・・・・。

最近よくちまたで流れている

死を宣告された人の歌
「旅立ちの歌」を思い出してしまいました

涙が出そうです

そんな生き方の人もいたんだ。

感動しました
Posted by らんらんらん at 2007年12月15日 06:28
はじめまして。
同じ業界で、立派に素敵に輝いて生きられた方のお話に
感動しました。
生きてらっしゃる時に逢いたかった、と思ってしまいました。

ぴんと背筋を伸ばし、前を向いて生きていきたいと思いました。
Posted by Home-DesignHome-Design at 2007年12月15日 15:03
らんらんらんさんへ  こんばんは~^^

自分の命を冷静に見つめ
家族旅行などをされていました
見習うことの多い人でした

自分の生き方に生かさないといけませんね!v(^^)
Posted by あばあば at 2007年12月16日 01:04
Home-Desiqnさんへ  

はじめまして!^^
コメントありがとうございますm(^^)m
嬉しいです

確かに! 
前を見て生きないと・・ですね!^^
Posted by あばあば at 2007年12月16日 01:14
 
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